保険の入れ歯と比べて保険外(自費)の入れ歯の値段が高い理由
入れ歯には保険の入れ歯と保険外の入れ歯(自費)があります。
入れ歯の検討をしている方が、保険の入れ歯の値段を知った後に自費の入れ歯の値段を聞くと、とても高いように感じるかもしれません。
とはいえ、もちろんその値段は法外なものというわけではなく、高いなりの理由がありますので、今回の記事ではそれについてご紹介します。
保険の入れ歯と自費の入れ歯は使える材料と設計が違う
まず、入れ歯に使える材料が全く違うことと、設計に大きな差があります。
保険の入れ歯で使える材料は費用の関係上、制限がかかります。
入れ歯を支える歯にクラスプという金属のバネをかけたり、入れ歯を補強するバーを組み込んだりします。
保険の入れ歯の場合、これらの金属にゴールド、チタン、コバルトクロムなどの性能が良い金属を使えないのです。
加えて、保険の入れ歯の設計では、クラスプという金属のバネが歯を壊してしまいます。
残っている歯と入れ歯とが横揺れするような形態になるので、お互いを長くもたせることが難しいです。
また、入れ歯が動いてしまうので口の中のお肉を痛めやすいです。
歯科医療先進国のドイツなどでは、30年以上も前から日本のようなクラスプの入れ歯は行っておらず、歯科の学生の教育からも外れているそうです。
技術の習得をするのに時間がかかり、歯科技工士さんの技工費用も高い
当院でおすすめしているテレスコープシステムの入れ歯を例にとってご紹介しましょう。
自費の入れ歯であるテレスコープシステムは、高度な技術や知識と、それを生かすための専用の道具が必要になります。
治療技術を学べる場所も限定されているので、習得するにはすごく時間がかかります。(研修を受ける場所に行ったりするのもそうですし、セミナーの受講費用もかかりますので。。)
これらのことは当然、自費の入れ歯を作る歯科技工士さんにも言えます。
治療内容についての理解はもちろん、専用の道具を用いて特殊な技術が必要になります。そして情報を共有している歯科医師と共に修練は欠かせません。
当然のごとく専門的な知識・技術・経験を持った歯科医師と歯科技工士さんが、時間をかけて仕事をするので、治療・技工費用も高くなります。
ですから、自費の入れ歯は材料以外の技術的な面でも費用がかかっているものなのです。
ただ高いだけではなく他の方法と比較して、リカバリーの面で優れています。もちろん治療方法がトラブルに対応しやすい長所がありますが、歯科技工士さんとの連携に最大の強みがあると言えます。普段から一緒に研修会で勉強しているので成功も失敗も共有して次に活かせます。(失敗はよくありませんけどね)
このような関係はチーム医療として非常に重要であると思います。
以上のことから何度も言いますが、費用は付加価値として高くなります。
安いと思った保険の入れ歯は長期的視点で考えるとイマイチ?
保険の入れ歯は安いので、作りやすいかもしれません。
ただし、保険の入れ歯はやはり壊れることが多いです。そうなると何度も修理したり、作り直したりしなくてはなりません。それに伴う治療もあるので、患者さんは何度も通院が必要となります。
また、保険の入れ歯は、結局治療するほどに、自分の歯がどんどん悪くなっていくという負のスパイラルに陥りやすいです。(この状態になってしまった患者さんが来院されることも多々あります。)
この状態にならない、もしくは抜け出すために必要なことは、自費治療でいい入れ歯を作って、それを長く使い、健康を維持することです。
歯科に限らずよくある話ですが、最初に費用が高く感じても、長い目で見るとその価値に納得するということはよくあると思います。
いわゆる“安物買いの銭失い”の状態にならないように、保険の入れ歯をご検討いただいていた方も、一度、自費の入れ歯についての説明を受けられることを検討されてもよいかもしれません。
当院では入れ歯の無料相談を受け付けておりますので、まず自費の入れ歯のお話を聞いてみたい、という方もお気軽にご相談いただければと思います。
神奈川県茅ヶ崎市 岩田歯科医院 岩田直之